小学校教員の64.5%が月45時間以上の残業をする一方で、学校現場の生成AI活用率はわずか22%──。
文部科学省の調査が示すこの現実に、一つの解決策を提示しようとする挑戦が始まりました。「日本人がウホっと働ける社会をつくる」をミッションに掲げる株式会社デジタルゴリラ(通称:デジゴリ)の、生成AI×教育プロジェクトです。
発起人は、元小学校教員で現在はデジゴリの源ゴリラこと、久保田 真拓。
「子どもを幸せにするために教員になったのに、事務作業に多くの時間を割かれ、子どものための時間が取れないという現実がありました」
彼の原体験から始まったこのプロジェクトは、仙台のピッチイベントで大きな反響を呼び、母校でのAI研修へとつながっていきます。
ピッチで語られた教育変革への想いと、現場で見えてきた可能性。デジゴリの挑戦文化を体現する物語をお届けします。
「やるしかない」2秒で決めた、人生初のピッチ挑戦
「久保田、ピッチイベントに出たらいいじゃん」
取締役の千葉 勇志(ネコゴリラ)から声をかけられ、久保田は「出ます!」と即答。わずか2秒の決断でした。
彼が出場を決めたのは、SENDAI DOT PROJECT主催の「First Shot〜DOT AOBA PITCH〜」。起業家や学生が新たなビジネスアイデアをプレゼンし、先輩経営者からフィードバックをいただくイベントです。
「プロジェクトを色んな人の前で宣言したら『やるしかない』じゃないですか。自分の腹を括る意味でも、出場を決めました」
プレゼンは苦手。それでも資料作りに全力を注ぎ、帰宅後も毎日練習を重ねました。迎えた8月21日、仙台緑彩館の会場で、彼はトップバッターとして登壇します。
なぜ今、学校現場にAIが必要なのか
教員時代の久保田は、朝7時半に出勤し、夜遅くまで働き詰めの毎日でした。

これが彼にとっての小学校教員の日常。子どもたちと向き合う時間を確保したいと思っても、膨大な事務作業に追われ、時間と心の余裕が奪われる現実。理想とはかけ離れた状況に、久保田はショックを受けたと振り返ります。
「全然、いい先生になれていないんじゃないか…」
本来力を注ぎたい授業準備や個別サポートに十分な時間を確保できず、子どもたちの前で笑顔になれない自分もいました。
「先生方がもっと子どもたちと向き合う時間を確保できたら、教育現場はもっと良くなるはず。AIがその手助けになるのではないか」
教員時代の体験と問題意識が、プロジェクトの出発点となったのです。
AIが先生の「右腕」に。デジゴリで確信した教育変革の可能性
教員を辞めた当時から、久保田は「AIで先生の事務作業を効率化できるのではないか」と漠然と考えていたといいます。マーケターとして成長し続けられる環境を求め、デジタルマーケティングと生成AIの知見を両方深められるデジゴリへの転職を決意したのです。
AIが教育現場に導入されるのはまだ先のことだと考えていた久保田。しかし、入社後に目の当たりにしたのは、想像をはるかに超える生成AIの進化スピードでした。
そして2025年4月、AI活用支援を専門とするAX事業部に異動。
AIの技術的な進化だけでなく、業務プロセス全体にAIを組み込むことで生まれる可能性を深く理解していきました。学校でのAI活用についても、より高い解像度でイメージできるようになったのです。
「やっぱり、AIを使えば先生の仕事がもっと楽になるはずだ。教育を変えるためには、まず教育の土台である学校にAIを導入して、根本的に課題を解決しなければならない」
久保田は、この思いの丈を上司に相談。すると「やってみたらいいじゃん」と背中を押されました。
「デジゴリは、やりたいことを全力で応援してくれる会社。この環境と、タイミングが重なったことに心から感謝しています」
思い立ったが吉日。久保田は1年前まで勤めていた小学校に電話をかけました。
「夏休み期間に、先生方向けのAI研修をやらせてください」
彼の熱意に、学校側も前向きに検討してくれました。「やるしかねぇ!」の精神で即行動する──こうして第一歩が踏み出されたのです。
ピッチで得た「データ」と「応援」。プロジェクトを前進させた熱い出会い

ピッチイベント当日。久保田は、データに基づいて現状を説明していきました。
- 保護者向け案内状の作成時間が40分から15分に62%短縮
- 記述式アンケートの集約が数日かかっていたものが翌日に完了
AI導入で生まれる「時間と心の余裕」を具体的に提示しました。

ピッチでは、プロジェクトを大きく前進させる出会いもありました。参加者の中に元ICT導入担当者がいらっしゃったのです。彼は、本プロジェクトを全力で応援してくださり、学校関係者を紹介してくださる動きまで生まれています。
また、先輩経営者のお二方からは具体的なアドバイスをいただきました。
「関係者に好かれ、応援される人であれ」
「実績の提示が必須」
「自治体・議員との信頼関係の大切さ」
久保田はまっすぐアドバイザーを見つめ、一言一句を受け止めていました。

「やっぱり人だなって。関係者に好かれて応援される人じゃないと、こういう公共系のプロジェクトは進みにくい。信頼と熱意って本当に大事だと痛感しました」
久保田は、この日の学びを胸に、プロジェクトを大きく前進させる決意を固めました。
AIってすごい! 先生たちに届けた、ワクワクするAI体験
ピッチイベントの翌日、久保田は元勤務先の小学校で第1回目の生成AI研修を実施しました。

彼の狙いは明確でした。AI導入の第一歩を踏み出せない、あるいは何から始めていいか分からない方々に、まずは「AIってすごい・楽しい・面白い!」と感じていただくこと。冒頭でGeminiの「Storybook機能」を披露すると、教室の空気が一変しました。
「AIに初めて触れる先生方が、一気に可能性に引き込まれていく様子が印象的でした。終始、教室にワクワク感が溢れていました」
研修に同行したメンバーはそう振り返ります。

久保田は、単に楽しませるだけでなく、このワクワク感を入り口に、先生方の働き方を変える具体的な未来を想像してもらうことを目指しました。それは、デジゴリが掲げるAIを「変化の起爆剤」と捉え、組織全体の業務効率化と生産性向上を進めていくという戦略に、深く根ざしたものでした。

先生の笑顔が子どもの未来を変える日まで。デジゴリの挑戦は続く
最後に、久保田がこのプロジェクトへの挑戦で最もワクワクする瞬間について尋ねました。
「先生たちの残業時間が減って心に余裕が生まれ、笑顔で子どもたちと関われるようになる。その変化を子どもたちが感じ取って『わあ、先生最近ニコニコしてる』って言ってくれる。そういう『先生の笑顔が子どもの幸せにつながる瞬間』を実現できたら、たとえ直接見ることができなくても、とても嬉しいしワクワクしますね」
デジゴリのミッションは「日本人がウホっと働ける社会をつくる」。生成AI×教育プロジェクトは、先生という職業にこそ、その理想を届けようとする取り組みです。
久保田の「やるしかねぇ!」から始まったこの挑戦は、デジゴリが大切にする「挑戦を応援し、実現を伴走する文化」の象徴でもあります。
一緒にワクワクする未来を創りませんか?
「学校でのAI活用」を想像した教育関係者の皆さまへ
デジゴリの生成AI研修は、「AIってすごい・楽しい・面白い!」から始まる実践的なプログラムです。先生方の働き方を変える第一歩を、一緒に踏み出してみませんか?
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「教育分野での協業」を想像した企業・自治体の皆さまへ
私達の挑戦は、まだ始まったばかりです。教育現場のDX推進や新しいソリューション開発など、一緒に教育の未来を創っていただけるパートナーを募集しています。
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「ここで働く自分」を想像した方へ
デジゴリには、「やりたいこと」を全力で応援し、実現をサポートしてくれる環境があります。この記事を読んで「挑戦してみたい」と感じた方は、ぜひお気軽にお話しましょう。
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